伊達政宗の兜を想起させる仙台銘菓『萩の月』の看板

看板文字

このブログを立ち上げて初めての投稿になります。

はじめてに相応しいものと気構えしてしまいましたが、自宅近くにあった子どもの頃の懐かしい味と共に想い起される菓匠三全の仙台銘菓『萩の月』の看板を採集しました。

「萩」の字はまさしく教科書で見た独眼竜の伊達政宗の兜を想起させます。

「の」の字はあくまで「萩」と「月」の盛り立て役に徹しながらも独自性のある「の」のため、これ単体で見た場合、ひらがなの「の」とは認識されないのではないでしょうか。

そして、「月」は、一画目の縦線が太く、二画目はその一画目を辿り戻って細いながらも力強く、転折は勢いを保ったままカーブし跳ねへと昇華される。横線を点のような短さに据えたことで、余白が美しい「月」に仕上がっています。

さらに憎い演出は、企業名である「菓匠三全」の文字は、「萩」の文字の創作過程で生まれた「政宗文字」と思わざる得ない表現方法が取り入れられています。

調べたところ「萩の月」の誕生が1984年ですので、その当時の揮毫者の意気込みを見せつけられます。

撮影地 山形市

私が育ったところは宮城県の片田舎で、最寄りの駅は車で30分程かかります。

そんな田舎の子どもにとって、日曜日にジャスコ船岡店(現イオン船岡店)に出掛けることは子どもながらのステータスだったのです。

ゲームセンター、おもちゃ屋さん、本屋さん、CD屋さん、たこ焼きさんなんでもありました。

その道中は車でやはり30分くらいですが、子どもの感覚ではとても長くボーっと外を眺めていると何カ所かに「萩の月」の看板があります。

今でも看板を見ると、鼻の奥がむず痒くなるようなカスタードの甘い香りがします。

萩の月はカスタードをカステラ生地で包んだこれでもかというくらい柔らかく、私の感覚ですがカスタードにバニラビーンズは使用していないと思われ、和風感漂うあくまで「高級カスタード饅頭」なのです。

全国で模倣、類似品は数多くあれど「萩の月」は題字を含め唯一無二の傑作菓子です。

パッケージにも「萩の月」の題字が使用されていますので、ご覧になりながら、是非ご賞味お試しください。

genpopo

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