ノスタルジー漂う「ちびまる子ちゃんのみつやの看板」

看板文字

未だに日曜日の夕方になるとサザエさん症候群に襲われます。

サザエさん症候群とは、アニメ「サザエさん」が放映される日曜日夕方6時半頃から思い煩う「また月曜日から始まる一週間を思うと憂鬱になること」を言うようです。

そのサザエさんの前に「ちびまる子ちゃん」が放映されています。

もう30年を超える長寿アニメです。

これはちびまる子ちゃんのオープニングや作中で出てくる「甘味処みつや」の看板です。

心がほっこりするような何とも言えないノスタルジーを感じます。

「甘」「味」は中心線がやや左に、「処」はやや右にたおれています。

さらに、この3文字の配置の妙に心惹かれます。

緑部配置 青部余白 赤部中心線

店名の部分に目を向けると「み」「や」は大きめに、「つ」はやや小さく、3字とも転折円やかな丸文字表現。

真ん中の「つ」が下側に配置され、上部に空間があることで圧迫感のない優しい表現を作り出しているように思われます。

では全ての文字を横に揃えてみたらどうなるか?

ここからは私のいたずらにお付き合いください。

オリジナル
加工 横の中心線に全て揃える

さあ皆さんはどう感じますか?

私は画像を加工する前、確実に文字の配置がノスタルジーを感じさせる大きな要素だろうと考えていたのですが、実際見比べると良さはあまり変わりないように感じます。

ということは、ノスタルジーを感じさせる要素は、やはり文字そのものの形や表現方法が重要であると考えて良いのではないでしょうか。

ただし、やはり長く眺めると踊るような楽しさを感じるのはオリジナルです。

作者のさくらももこ先生は、代表作として「ちびまる子ちゃん」の他に「コジコジ」という漫画を描いていらっしゃいますが、どちらも人間(コジコジは人間に模したアニミズム的な無機物の登場人物も多数います。)の心の機微を漫画を通して分かり易く表現しているように思われます。

日曜日の夕方に、さくらももこ先生はそっと子どもたちに人間関係の難しさをアニメを通じて伝えていたのではないかと私は思うのです。

30分違いのサザエさんは罪もないのに症候群にされ可哀そうなところではありますが。

genpopo

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